瞬報社写真印刷株式会社様 リスロンG40内覧会

日時:2019年10月04日(金)

10月4日(金)、瞬報社写真印刷株式会社様(山口県下関市)にて内覧会を開催し、20社32名にご参加いただきました。同社は明治15年に創業し138年目を迎えられた歴史ある印刷会社です。現在は印刷・出版、WEB制作やデジタルメディアなど地域に根差した総合印刷会社として躍進を続けています。
これまで外国製の印刷機のみを設備されていましたが、本年1月に国内製としては初となる弊社印刷機、H-UV L (LED)搭載菊全判5色オフセット枚葉印刷機リスロンG40(GL-540)を導入されました。

内覧会の司会進行は九州支店支店長の細野が務めました。弊社常務執行役員 国内営業本部本部長 小森善信の挨拶に続き、瞬報社写真印刷株式会社 専務取締役 藤田育夫様から会社概要について、常務取締役 島木浩則様から導入経緯についてお話しいただきました。その後、弊社営業技術課の平田から導入機の技術説明を行いました。



■専務取締役 藤田育夫様(会社概要についてのお話)
創業当時から変わらぬ社是「瞬時も念頭を離るる事なき顧客本位、報ゆるに誠意懇切を主とする我社は、社界の進運に伴ひ斯業の革新に努む」について話され、企業の永続と技術の伝承の重要性を語られました。また、「機械の導入に関して、これまでの既定路線で機械の買い替えをして良いのか、原点に立ち戻って徹底的にテストを行いました。社是にもありますように、企業の永続には変わり続ける革新性が大切であり、当社が持っている既成概念を全て無くして印刷機の選定を行いました」とお話しされました。

■常務取締役 島木浩則様(KOMORI機選定の経緯についてのお話)
「品質ではFMスクリーンが安定して刷れることを重視し、独自の評価シートを使い何十時間もかけて評価しました。その結果、他社機と比べても遜色ないことを確認できました。次に生産性です。GL-540の最高スピードは16,500回転ですが常に最高スピードで稼働できるものでもありません。よって、最高スピードはあまり重視しませんでした。大切なのは1時間にどれだけの量を生産できるかです。以前KOMORIのセミナーで機械の稼働率は全体の30%で、残り70%は準備時間と聞きました。この70%を5%でも10%でも生産に置き換えることをしたい。ここに集中して機械を選定しました。最後にサービスですが、5年したら保守しなければ生産は落ちます。5年10年したときに新台に比べどれくらいの性能で動くか、ここが一番重要です。KOMORIのサービス体制、九州のサービスは本当に真剣に対応してくれています。さらに、導入後につきましては、現時点で生産性130%を達成しており、次の目標である140%達成に向け取り組んでおります」

セミナー終了後、移動して実演と実機見学を行いました。

■実演 リスロンG40
[H-UV L (LED)搭載菊全判5色オフセット枚葉印刷機 GL-540]
・主な仕様:A-APC(全色同時刷版交換装置)、PQA-S V5(品質検査装置)、H-UV L (LED)
・印刷物   :①A2ポスター2面付け(300枚)②A4/8Pパンフレット(500枚)
・印刷仕様:FMスクリーニング、5色目:OPニス、用紙:菊全コート紙

実演では、最初に当機の見どころと主な仕様について説明しました。
1. 既に1000台以上の出荷台数を誇るH-UVシリーズのLEDタイプ、H-UV L (LED)による速乾印刷
2.パラレルメイクレディによりA-APC(全色同時刷版交換装置)、ブランケット自動洗浄、インキ設定を同時に行い、究極の準備時間短縮を実現
3.1回の測定プロセスで、色調と見当の測定、PDF照合を行いフィードバックするPDC-SX(分光式色調管理装置)
4.稼働中に品質検査、色調制御を行う検査装置PQA-S V5。不良紙の抜き取り管理を容易にするシートナンバリングシステムをフィーダーボード上に搭載
5.  印刷機械にベストマッチしたK-サプライのLED用インキ、OPニスを使用。インキ以外にも洗浄液やブランケットもK-サプライ資材を採用

1ジョブ目は、A2のポスターを2面付けした印刷を300枚行いました。フィーダーボード上のシートナンバリングシステムをモニターでご覧いただくと同時に、排紙された印刷サンプルにてH-UV L (LED)の速乾性能もご覧いただきました。続いてパラレルメイクレディのジョブ切り替えを実施しました。A-APCによる全色同時刷版交換、ブランケット自動洗浄、インキ設定を同時に行うことで、わずか2分30秒で切り替えが完了し試刷りに入りました。オペレーターは試刷りサンプルをPDC-SXで測定し、見当、色調を自動補正、さらに、PDF照合装置により、オリジナルのPDFデータと印刷物が合っているかを確認して本刷りをスタートしました。今回は瞬報社写真印刷様で通常行われているFMスクリーニングによる高品位印刷により、印刷品質の高さをご確認いただきました。



2ジョブ目の本刷りは500枚で、稼働中にPQA-S V5による品質検査と色調制御の様子をKIDモニターにてご覧いただきました。本刷り終了後はドン天印刷への切り替え作業に入りました。

ドン天印刷への切り替え作業の間に常務取締役 島木浩則様にインタビューを行い、シートナンバリングシステムの活用についてお話しいただきました。
「UV機を入れるとインキ代が2倍になるとか、電気代がかかるなどコストアップが気になります。これをどう抑えるか?コストダウンの代表的な事例としてドン天にしたら刷版代が半分になるとか、速乾なので直ぐに返せるとよく言われます。しかし、実際の仕事の流れでいうと印刷中に検査装置がNGを検知したらそれをすばやく抜き取らないといけない。一般的にはNGが出るとリボンが入りますが、リボンが落ちたり中に入ったら探すしかない。シートナンバリングシステムではカメラで何番の絵柄のここの部分に、こんなエラーがあったとわかるので、そのナンバーを素早く見つけて抜き取ることができます。検品で10分かかっていたら何のためのパラレルメイクレディかわからない。シートナンバリングシステムを入れて、確実にNGシートを見つける時間を短くしています」



インタビューをしている間に、後刷りの本刷り500枚がスタートしました。印刷中に今回の実演の機長にインタビューを行い、現場の声を伺いました。
・印刷課 係長 村上和寛様
「KOMORIの機械導入により、KHS-AIのツボ開度やエアプリセットの学習機能、ツボキーのゼロセット、A-APCを使うことで効率と品質がかなりアップしたと思います。最先端技術の素晴らしい機械だと思います。もっとこの機械を使いこなせるようになりたいです。また、わからないことなどKOMORIのスタッフの方々に手厚くサポートいただいております」

実演後は自由見学時間を経て再びセミナー会場に戻り質疑応答が行われ、最後に弊社国内営業本部副本部長の藤巻より御礼のご挨拶を行い内覧会を終了しました。
このたびの内覧会開催にあたりまして、瞬報社写真印刷株式会社様には深いご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。ご来場いただきました皆様の次期設備計画や、消耗品・資材を検討される際のご参考となれば幸いです。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。